CIVILIAN“Hello,civilians.”~名古屋編~
@ell.SIZE

CIVILIANワンマンツアー“Hello,civilians”初日公演が518日、ell.SIZEにて開催された。名古屋でのワンマンは初めてということで、ファンにとっては待望の開催となった当日。どっぷりと楽曲の世界を展開し、核心に迫るように深度を増していく彼らの表現は、“CIVILIANとは?”という問いの1つの答えのようにも思えた。

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photo by Yuno

音と同時にすーっと照明が落ち、眩い閃光と共に3人がオンステージ。SEとシンクロさせるように有田 清幸(Dr)がリズムを打ち鳴らし、コヤマヒデカズ(Vo/Gt)が「2017518日のCIVILIANを始めます。行くぞ、名古屋!」と呼びかけると同時に極彩色の光がライブハウスを狂騒空間に塗り替えて行く。身体に直接飛び込んでくるような音を自在に操りながら、グルーヴを作り上げて行く彼ら。「最後まで楽しんでいこうぜ」と笑うコヤマも初っ端から高い集中力で言葉を飛ばしている。

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​photo by Yuno

体を揺らしてその場を楽しむ人、圧倒されて固唾を飲む人と反応は様々だが、共通しているのは3人の音に心を奪われてしまっているということ。ステージの上に立つ彼らは誰よりも自由で、閉じ込められた心の檻すらもぶち壊してしまえるような、強いエネルギーを感じる。無機質な音が不気味さを誘うアナウンスをバックに、流れ出した儚いピアノ。夏の夜の空気にも似た寂しげな雰囲気の中、アコースティックに持ち替えたコヤマが歌い出したのは『自室内復讐論』。音の持つ表情を変えながら、移ろいゆく感情に寄り添っていく3人の演奏は、これだけの人数を前にしている筈なのに、たった1人だけに向けて放たれているように思えた。

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​photo by Yuno

コヤマの声が張り詰めた空気の中を突き抜けた『初めまして』、一抹の救いが真っ青な空のイメージとリンクする『爽やかな逃走』と最低限の言葉のみで楽曲を届けていく彼ら。真っ向勝負でぶつかってくる音を受け止めているうちに、気付いたらCIVILIANの世界に頭まで浸かってしまっている。過去に作られた歌を聴いているはずなのに、現在の生々しい想いを吐露しているように思えるのは、メンバーもそれだけ没頭してプレイを重ねていたからこそだろう。

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​photo by Yuno

「どうもありがとう」とコヤマが短く告げ、一瞬で空気を塗り替えるように『神経町A10街』へ。先ほどまでが透明な蒼だとしたら、今度魅せるのは毒々しく染まった血のような紅。畳み掛けられるシリアスなリリックが容赦無くオーディエンスを掴み、そのまま強く惹き付けていく。呼吸をするのも忘れる程のカオティックなメロディーを連発したかと思えば、『Y』では静けさが包み込んだステージに、独り言を呟くように声を溶かしていったコヤマ。あくまで優しいメロディーの上を伝う言葉は独特の感傷に包まれて、フロアを撫でるように響いていた。

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​photo by Yuno

一筋の光がステージを照らし出し、再びコヤマが声を放ち始めると、思わず息を呑むオーディエンス。曲に登場する主人公の顔や心の揺れすらも伝わってくるように思うほど、3人の表現は真に迫っている。ライブハウスを満たす音には一分の隙もなく、欠けが無いからこそ、ここまでのクオリティーで楽曲を体現させていくことができるのだろう。『彗星』、そして、切実な声と共に祈るような想いを吐き出した『メシア』では、泣きそうな顔で、それでも視線を逸らさずにいるオーディエンスの姿がとても印象的だった。