TOTALFAT 18th Anniversary
“BLUE JEANS,BROKEN ACOUSTIC....
NEXT 18TH STARTS”
@下北沢GARDEN

photo by AZUSA TAKADA

生まれたての子供が大学生になる、といえば18年という歳月の途方もなさが身に沁みる。TOTALFATが初めてLIVEをした日から、18年。4月6日、下北沢GARDENにて恒例となりつつあるスペシャルライブが開催された。今年はTOTALFATのオリジナルアレンジバンド・THE BLUE JEANSをOAに迎え、お祭りムードも満載。結成したその日ではなく、初LIVEからの年月を節目として祝うのは、やはりTOTALFATというバンドがどこまでもライブバンドとして現場に立ち続けてきたからなのだろう。

THE BLUE JEANS

photo by AZUSA TAKADA

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オープニングアクトとして、TOTALFATの楽曲が持つ可能性を存分に感じさせるLIVEを披露した、THE BLUE JEANS。今日が初LIVEだという彼らだが、笑顔で登場した菅原 JEANS(Dr)を皮切りにセッションでオープニングを飾ると、名前通りの爽やかな蒼い光と共にライブハウスを心地良く彩っていく。

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吉本 JEANS(Vo/Ba)の「盛り上がっていきましょう!俺たちがTHE BLUE JEANSです!という宣言から」『晴天』へ。洋平JEANS(Gt)、そして、ノブ JEANS(Key)が奏でる軽やかなメロディーも相まって、青空の下で聴いているような感覚を覚えた。

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“TOTALFATのオリジナルアレンジ”を現段階でのテーマとして掲げているだけあって、続々と披露される楽曲が全く違う表情を魅せてくれることに驚かされる。ラップ調に繰り出されるリリックに意外性を感じた『Room45』、細江JEANS俊輔(Vo/Gt)と吉本 JEANSの甘やかな歌い口が歌詞の世界観を鮮やかに描いた『Sweet』と演奏を重ね「せっかくやり続けるならオリジナル曲も作りたいよね。ツアーも回ったりしてね?」とこれからの活動への手応えを感じた様子の5人。ゆったりしたアレンジを施した曲が中心だったとはいえ、やはり根底にあるのはTOTALFATの楽曲だ。

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バイトリーダーとしてこのバンドのキーボードを担当していたノブ JEANS こと岡本伸明(lovefilm/the telephones)を客席からの歓声を票代わりに正社員(正式メンバー)へと引き入れると、最後にはスカアレンジを施したTHE BLUE JEANS流『PARTY PARTY』でしっかりと踊らせてみせる。

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それぞれの名前も決まっていなかったという、ある意味ではド新人バンドの彼らだが、秘めたポテンシャルの高さに期待を抱いたオーディエンスも多かったことだろう。本日はオープニングアクトという立ち位置だったが、THE BLUE JEANSの次回公演にも期待したい。

TOTALFAT

賑やかなSEが鳴り響けば、待ってましたと言わんばかりにステージへと駆け寄るオーディエンス。Jose(Vo/Gt)&Shun(Vo/Ba)という鉄壁のボーカル陣が先陣をきって歌声をあげ「18歳になりました、TOTALFATです!始めるぞ下北、かかってこいよ!」と叫べば、攻めの姿勢を示すように当日配信開始したばかりの新曲『Phoenix』からLIVEがスタート。大切な場面を委ねるに相応しく、疾走する2ビートがオーディエンスからのシンガロングを引き出していく。

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夏を先取りするように『夏のトカゲ』、『Ride Your Life』と楽曲を放ち「19年目も一緒に壁を壊していこうぜ!」と『Walls』へ。音に心を託すように拳でぶつかっていくフロアを前に、4人のプレイにも熱が入っている。音楽で遊びながら共にLIVEを作り上げていくのが18年で築き上げてきたTOTALFATのやり方。オーディエンスが熱くなるほど、ステージに立つメンバーが最高の笑顔を浮かべるという事実がこのバンドの築いてきた絆を象徴しているように思えた。

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熱気が渦巻くフロアを前に、今までの周年祭で1番アツイとShun。18年間歩みが続いたことを祝す意味以上に「19年目をお前らと一緒に始めるために来たんだぜ!」とShunが告げれば、呼応するようなJoseによる「さあ、攻めっからな?」という宣言をもって『Invention』をドロップ。アルバム『OVER DRIVE』の流れを汲み、この曲をメンバーが捧げた張本人であり、メンバーの友人でもあるアメリカ人のライアンをステージに迎えて『Ryan,Don't Worry』を披露するなど、アニバーサリーならではのサプライズを織り込みながらも根本に宿っているのは“まだまだこんなもんじゃない”と言わんばかりの前のめりな闘志。真っ直ぐな反骨心は痛みをもバネに変えてしまえる強さに変わり、しなやかな強さを持った4人の姿がオーディエンスの背中を押していく。

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“夢”という言葉を閉じ込めたような楽曲『ONE FOR THE DREAMS』の曲中、「俺はお前らと一緒に進んでいくんだ!」と目の前の一本指に誓いを立てるように叫んでいたJose。ステージとフロアの垣根を軽々と飛び越えるシンガロングに、未来へと向かう力の源をみたような気がした。

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TOTALFATにとってのアニバーサリーは、彼らを応援し、追い続けて来たファンにとっての記念日でもあっただろう。どんなときも、苦境に立たされた時でさえも“止まる”という言葉を思い浮かべたことはなかったというShun。「支えてくれるスタッフ、暖かく迎え入れてくれる各地のライブハウスの人たち、何より俺たちの音楽とこの4人を見つけて、俺たちを支えて、TOTALFATのファンだって胸張って言ってくれてる、俺たちのTシャツで胸のど真ん中に俺たちのバンド名を掲げてくれているあなたたちのお陰で、ここまでやってこれました。改めて、何百回言ったか分かんないけど、今までで1番大きな御礼を言わせてください」と真っ直ぐな謝意を伝え、“音楽が、そして目の前のあなたたちのことが大好きなのだ”という原動力にも近い想いを口にする。

photo by AZUSA TAKADA

“自分たちにとってTOTALFATは世界で1番大切なバンドであり、この場所で鳴っている音が世界で1番格好いい”という信念を胸に19年目へと走り出していきたい、とフロアに向けて力強く言い切り、最後には「どこまでもついてこい!」と『Place to Try』を披露。Shunの言葉は、そして4人の想いは応援し続けてきたファンにとっての大きなギフトになっただろうし、『Place to Try』で巻き起こったシンガロングは、これからのTOTALFATにとっての大きな活力になったのではないかと思う。寄せられた想いを抱えて19年目、そして、20年目へ。“今”を共有して改めて共に歩む決意を固めるような、次の1年への幕開けにぴったりなステージだった。

photo by AZUSA TAKADA

秋にゴリゴリのパンクアルバムをリリースする予定で楽曲を制作し、さらにツアーも鋭意計画中だという嬉しいニュースで始まったアンコール。10年前にリリースされた「ALL THE DREAMER, LIGHT THE DREAM」から少しだけ再現ライブと称して『DA NA NA』~『Starting New Life』をメドレー形式で届けるというサプライズでフロアを沸かせ、「ライブハウスに来れなくなったり、来たくなくなってしまったとしても…俺たちはずっとライブハウスに居るから。いつでもまた戻って来てください」と『Good Fight & Promise You』へ。

photo by AZUSA TAKADA

ここまで格好良く締めておきながら、完全予定外だった2回目のアンコールにて『PARTY PARTY』をぶちかましてフロアの限界値を吹き飛ばしてからフィニッシュを迎えるあたり、やはり彼らのお祭り番長っぷりは本物だ。これから先も、TOTALFATは世界一格好いい音楽でマイナスをプラスに塗り替えるエネルギーをオーディエンスに手渡していくのだろう。沢山の笑顔と共に快進撃を続ける彼らの19年目を、とても楽しみに思う。(渡辺 真綾)